私の治療方針
      −患者様へのメッセージ−


  大学院博士課程、大学助手での13年間の教育・研究生活、
 そして某商社・健保組合診療所での臨床生活を経て、
 城東区で個人の診療所を持つことになりました。

 そこでこのページでは、
   1.森のレインジャーのように歯や歯ぐきを守りたい
   2.宮大工のような「いい仕事」がしたい
 という自分の思いを、具体的にお伝えできれば・・・と考えています。


 なにぶん未熟な点も多く、空回りしているかもしれませんが、
 ご助言をいただければ幸いです。

 「自然な治療」 

  治療に至る前に予防することが、歯科医療の本来の姿なのですが、
 当院では、患者さんのお口の中を診(見・看・観・視)させていただく場合、
 以下のことを、できるだけ心がけるようにしています。

    1.生体(からだとこころ)のしくみをきちんと理解していること    
    2.歯やその周囲組織の健全な発育と加齢にあわせること    
    3.病気の原因をできるだけきちんと取り除くこと          
    4.傷ついた組織の自然治癒能力を引きだすこと          
    5.人工物は生体と調和のとれたものにすること           
    6.歯や周囲組織の寿命を延ばす方法を患者さんと共に考えること
    7.患者様の個性を十分考慮すること・・・などなど

 常にそのような意識を持ち続けて、「いい仕事」ができればなと思います。
 逆に言えば「不自然な治療」はできるだけ避けたいということです。


優れた宮大工達によって再建された塔

  法隆寺と薬師寺の宮大工の棟梁・西岡常一さんの言葉をお借りすれば、

 「法隆寺大工は一打三礼や。
 千年もってくれ、千年もってくれ・・という気持ちが大切やで・・・・」

 「自分の歯を大切にしている方」と心を通わせ、一緒に歩んでいけることが、
 当院スタッフの目標でもあります。

 「予約制について」 

  一人あたり30分単位の治療時間をいただいておりますが、
 治療内容によっては1〜2時間のお時間をいただくことがあります。
 (一度に数本の歯の治療をする時、より精密に仕上げたいとき、
  より美しく自然にしたい時、
手術・難抜歯、お口の相談、などなど)。
 したがって、より多くの方が予定時間通り診察を受けられ、
 当初の目的を達成できるよう、

 予約時間はできるだけお守りくださいませ

 もし遅れられて、次の方の診療に差し障りが出ることが予測される場合は、
 治療が計画通りに進まないこともあります。
 なお急患の方は、キャンセルの空き時間などの調整時間の診察となりますので、
 場合によっては少々お待ち願うこともあります。
 悪しからずご了承のほどお願いいたします。

 予約診療がスムーズに流れれば、他の患者さんと顔を合わすことが少なくなります。
 ですから待合室は、ゆったりとくつろいでいただけるよう、椅子は少な目です。
 しかし、患者が少なく暇な歯医者だから、いつでも診てもらえると勘違いされるのも、
 ちょっとツラいものがあります(笑)。

 初診の方、キャンセルや時間変更の方は、事前にご連絡をいただければ、
 お互い貴重な時間を有効に使えますので、宜しくご協力の程お願いいたします。 

 「診療時間・休診日について」 

  「いい仕事」をしようと思えば、体力はもちろんのこと集中力も必要です。
 また指先の微妙な感覚も、絶えず研ぎ澄ませておかないといけません。
 そのため、週に2〜3日のお休みや、長めの休憩時間をいただいておりますが、
 これも、いい加減で他人まかせの仕事にしたくないため・・・とご理解下さい。
 私自身、ランニングやウォーキングなどで日頃の運動量は多い方だと思いますし、
 ここ十数年は、風邪で寝込んだ記憶もないのですが、
 それでも、集中力が切れて、仕事が雑になると自己嫌悪におちいります。
 (ちょっと問題のある文かなぁ・・ お叱りを受けるかも・・・・)
 なお、通常の診療時間に通院できない方、大がかりな治療になる方は
 休日に完全予約制で効率の良い治療をさせていただくこともあります。

  
九州最高峰・大分久住山

 「理想的な治療のための具体的方法」 

  お口の病気には何らかの原因があります。
 一般的なお口の病気(ムシ歯と歯周病)の原因は、

   1.病気の原因となるバイ菌(外因)

   2.感受性、歯ならび・噛み合わせ、歯や歯肉の性状などなど(内因)

 の2つに分けることができます。
 例えば、全然歯を磨かなくても、お口はまったく問題がない方もおられますが、
 これは、上記の「2」のうち、病気を寄せつけないタイプの方なんですね。
 しかしながら、お口のトラブルには、何らかの原因・理由がありますので、
 まず、それを理解していただくことから始めます。

 例えば、歯にみがき残しがあれば、ムシ歯や歯周病は進行し続けます。
 治しても治しても、組織は壊れていきますし、最後には抜けてしまいます。
 そして歯医者は振り回されて忙しくなり、患者様は時間とお金を取られます。
 そこで、まずはお口の中のケア(清潔化)から始めることも多いですので、
 ご面倒と思わず、どうかおつきあいください。

 入れ歯などの人工物よりも、ご自身の歯の方がずっと快適ですので、
 健康な歯をできるだけ残せるよう、患者さんと歩んでいきたいと思います。

 「衛生面での配慮」 

  これは医療機関として常識的なことなのですが、
 
院内での感染対策には気を使っております。
 できるだけディスポーザブル製品を使ったり、
 患者様ごとに滅菌消毒をしておりますので、
安心して受診してください。
 具体的には

  1.うがい用コップ、器具を載せるトレーは使い捨ての紙製です。
  2.お口の中に入れる器具や道具は、
    すべて滅菌消毒し、袋や消毒ケースに保管しています。

  3.綿やガーゼなど血液のついたものは感染物質として廃棄します。
  4.紫外線によるスリッパ殺菌など、目に見えないところにも留意しています。


滅菌バッグ

  コストはかかりますが、その分、私生活での無駄??な出費を抑えております。
 幸い、高級外車・ギャンブル・ゴルフ・キタの新地等には興味はありませんので、
 その分を患者様とスタッフの双方が快適になるような診療空間作り
 に回しています。

 仕事場に生きたお金を使う、これが私の趣味のひとつといえるかもしれません。 

 「診療に使う道具」 

  いくら理想が高く、腕が良くても、使う道具がお粗末なら話になりません。
 私の愛用しているドイツ・カルテンバッハ(KAVO)社の切削器具と診療台は、
 国産のそれよりも一回り高価ですが、いい治療をするには欠かせません。


KAVO社のユニット

 歯や歯ぐきに対する刺激を最小限にとどめる工夫がなされているのです。
 歯医者さんで歯を削るときは、よく「キィ〜〜〜ン」と疑似音で形容されますが、
 KAVO社の切削器具は音が低めであるのに気づかれるかもしれません。
 これは回転数を抑えることにより(トルクは十分あります)、
 歯に対するダメージを少なくしてくれているのです。


KAVO社のマイクロモーターの心臓部

  また歯を削るのではなく、超音波で悪いところだけを効果的に除去したり、
 手用器具やレーザーを使ったりと、生体に優しい治療をしています。

 
小さなムシ歯なら超音波のチップを使用

  レントゲンも、場合によってはコンピューター撮影をしますので
 
 患者さんによりわかりやすく説明できるようになりました。

 
レントゲン写真をコンピュータで解析しましょう

  複雑な歯の神経の治療は、ニッケルチタン製のものを使いますので、
 より確実な治療に結びつけられると思います。
 また器械に頼らず、手用器具で、指先の感覚を頼りに治療することも多いです。 

 そのようにいろいろ工夫しても、場合によっては痛みをともなうこともあります。
 もし痛み等で不快な思いをされた際には、どうかお許しください
     (歯医者嫌いにならないでね)。

 「保険診療と自費診療」 

  通常の診療の大部分は健康保険でカバーできますが、
 より美しく精密な治療を要する場合、より生体に近い材料を使う場合、
 上下の歯のバランスを考えてお口全体を治療する場合、
 歯ならびを改善したい場合などは、

 患者様と十分な相談の上、自費診療となる場合があります。
 この場合、より綿密な治療計画&長めの診療時間となります。
 あくまでも、より美しく、より長持ちし、より快適にすることが目的ですので、
 お口の状態によっては、自費診療をお断りする場合もあります。

 より詳しくお知りになりたい方のために、
 ケースごとに解説している院内パンフレットを用意させていただきました。

 「スタッフ」について 

  当院のスタッフは、全員「歯科衛生士」のライセンスを持っています。
 彼女らは専門学校での2年間の履修の後、国家試験に合格しておりますので、
 お口の知識はもちろんのこと、
予防処置や健康維持等も専門分野です。
 衛生士学校で講義を受け持っている関係で、向上心のある学生を採用し、
 様々な研修を積み重ねながら、数年間パートナーシップを育んできました。


スタッフと友人達(セレッソの応援)

 信頼できるスタッフですので、お気軽にコミュニケーションをはかってください。
 また、ペリオ、カリオロジー、PMTCなどに興味のある衛生士さんは、
 一度、遊びに(アルバイトしに?)来てくださいね。 

 「患者様の個性に合わせる」 

  患者様の体や顔つきが人それぞれ違うように、お口の状態も異なります。
 またお口に対する思い入れも、人それぞれだと思います。
 応急処置でいいと思っておられる方に、時間と手間暇をかければ、
 それは「余計なお世話」ですし、

 逆に、よりきちんとした治療を望まれる方には、
 十分なお時間をお取りする事が必要です。

 「すべての方に平等にすることは、かえって不平等」ウンヌンと書けば、
 少し誤解を受けられそうでコワイのですが・・・ (^_^;)
 あらかじめ、ご希望をはっきりとおっしゃっていただければ、
 それに合わせさせていただきますが、

 綿密な治療計画をたて、手間暇をかけて、じっくり治療する方が、
 長い目で見れば、かえって経済的で快適な場合もある


 
こともご理解くださいませ。
 患者様の個性に合わせること、私はこれが「本当の平等」だと思います。 

 「歯医者は治療だけやないんやで」 

  治療が終わった後も健康を維持していくには、定期検診が必要です。
 また丁寧に歯をみがかれましても、どうしても磨き残す部分が出ますし、
 歯ブラシも万能ではありません。

 そこで私たちは、プロによるお口のクリーニングを行っております。
 これをPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)と言いますが、
 特別な道具を使い、歯の隅々までお掃除して、ムシ歯や歯周病を予防します。
 また子供さんを「ムシ歯ゼロ」にしてみようという試みも行っておりますので、
 お気軽にご相談くださいませ。

    

 「人間一生勉強だ」 

  大学を卒業して20年近くになりました。
 その間、いろいろな研究・研修歴を積んできましたが、

 歯科は奥が深くて、なかなか極められそうにありません。
 さらに患者様という「こころ」を持った人間を相手にさせていただくのですから、
 技術だけでなく、
「人の心の痛みや悩み」も受け入れることも必要で、
 まだまだ未熟な私の悩みはつきません。

 しかしながら、仕事をする楽しみと誇りを小脇にかかえ、
 技術の向上だけではなく、快適空間作りもしていきたいと思いますので、

 今後もご指導、叱咤激励の程、よろしくお願いいたします。

 
「相田みつを」さんの書

 

  以上が当院からのメッセージです。

 たくさん歯科医院がある中、縁あって、当院に来ていただいた患者様とは、
 私たちは、生涯を通しておつきあいさせていただきたいと考えております。
 でも、私たちの考え方、やり方に「合う・合わない」方もいらっしゃるとと思います。
 そのときは、ごめんなさい。 m(_ _)m  

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